コオロギバターサンド
料理系Vtuber琲煎まきさんに作っていただいた昆虫レシピ。コオロギシュガーバターをコオロギクッキーで挟んで頂く贅沢な一品です。Youtubeチャンネル「エスプレキッチン」で動画も公開中。
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今、注目されている昆虫食の中でも最もポピュラーなコオロギ。その味は「エビ」に例えられることが多いですが、それは少し違います。
エビやコオロギなどの節足動物には、その身を守るために「キチン」や「クチクラ」という物質でできた外骨格が備わっています。エビの場合、この外骨格が食べる時に邪魔になるので、調理の段階で綺麗に剥いてしまうかと思います。一方、コオロギの外骨格はエビのようにツルリとは剥けず、柔らかいので剥かずに食べるのが一般的です。このようにしていただくコオロギの香りと食感は、エビフライやお寿司のネタに出てくるポピュラーなエビというよりも、殻ごと食べられる小エビに似ているといった方が正しいのかもしれません。また、実際のコオロギ自体の味は非常に淡泊で、海産物系というよりも豆系に近いと言われています。
エビやカニに数多くの種類があるように、世界各地で食べられているコオロギにも様々な種類が存在します。種類によって味や香り、大きさが異なりますので、ご興味をお持ちの方はぜひご覧になってください。なお、今回は、bugoomで取り扱っている4種類の食用コオロギをご紹介させていただきます。
ヨーロッパイエコオロギは、食用コオロギの中でも定番中の定番といわれる人気のコオロギです。ヨーロッパという名前がついていますが、世界中で流通しており「イエコ」の愛称で親しまれています。写真では分かりにくいですが、身体がとても小さく、私たちがよく目にするエンマコオロギ(2~3cm程度)に比べると、その大きさはおよそ半分以下と極小。身体が小さいから味も薄いのかと思われがちですが、噛むたびにしっかりとした旨味が感じられます。それもそのはず。旨味の元であるタンパク質が100g中に約75%も含まれているのです。他のコオロギよりも小さく食べやすいので、初めて昆虫食に挑戦される方にオススメです。
ヨーロッパイエコオロギに次ぐ定番の食用コオロギが、こちらのフタホシコオロギになります。ペットの餌としても流通していて「ホシコ」の愛称で親しまれています。体色が黒っぽいこともあって、初めての方には少しハードルが高めと嫌煙されがちですが、その香りを嗅いでみると…ほのかに「醤油」のような香ばしさが感じられます。一度、その醤油のような香ばしさを感じると、黒々とした見た目が幸いして「佃煮」のような気分で楽しむことができるかと思います。価格もリーズナブルなので、この機会にどうぞお試しください。
ジャマイカンフィールドコオロギは、フタホシコオロギと同じくらい(約2~3cm)のサイズのコオロギです。色味がヨーロッパイエコオロギのように優しく、淡泊な味わいのコオロギです。クセがないので、マヨネーズやケッチャプのような酸味の強いソースや、ガーリックパウダーやチリパウダーなど辛味や香りの強い調味料と組み合わせても美味しく食べられます。コオロギを使ったアレンジレシピを作ってみたいという方にオススメです。
その名のとおり巨大な食用コオロギです。頭部から産卵管までの長さは約6cmもあり、日本のエンマコオロギの約2~3倍という驚異的なサイズを誇ります。サイズが大きいので硬いのかと思いきや、他のコオロギと変わらないサクサクの食感が楽しめます。上記のコオロギを全て経験した後、もっと大型の昆虫にかぶりついてみたい!という方にオススメです。ちなみに余談ですが、福岡のローカル番組で、ミシュラン1つ星の名店「TTOAHISU(トアヒス)」さんにbugoomのタイワンオオコオロギを使った「タイワンオオコオロギの自家製パンと4種のチーズ」というお料理を作っていただいたことがあります。そのお料理は千原ジュニアさんが召し上がられていたのですが、「コオロギおいしいわ!」と絶賛されていました。
乾燥させた昆虫スナックは、そのまま食べるものだと思われる方が多いですが、実は調理していただくこともできます。オススメの調理法は「揚げ焼き」です。軽く片栗粉を振って、油をひいたフライパンで焦げない程度の火力でサッと揚げ焼きにするだけで完成します。調理時間が短いですし、普通の揚げ物を作るよりも少なめの油で済むので後片付けも簡単です。カラッと揚がったコオロギはサックサクの食感に仕上がりますので、一度食べると止まらなくなる魔力を持っています。お酒との相性も抜群ですので、のどごし爽やかなビールやハイボールと一緒にご堪能くださいませ。
ちなみにこちらの記事で作り方をご紹介していますので、ご興味がおありの方はどうぞご覧ください。
コオロギの姿が苦手という方は、見た目を感じることなく味わえるパウダータイプがオススメです。小麦粉を混ぜて麺やパン生地を作ったり、スープの風味付けに使ったりと、いろんな用途でご利用いただけます。先程ご紹介した高タンパクのイエコオロギパウダーなら、運動後のプロテインとしてドリンクに混ぜて飲むこともできます。
今回はコオロギの味について書かせていただきましたが、食べ物というのは五感でインプットするものだと私は思います。
細かい説明を聞いて想像するよりも、実際に目にして、匂いを嗅いだり、食べてみた方が「味・香り・舌触り」など膨大な情報を五感から得ることができます。に近いという話を聞いた後でも、実際に食べてみると「ああ、そういうことか」という共感を楽しめるかもしれませんし、「個人的には〇〇に似ているな」という発見があるかもしれません。そうした感覚は、やはり実際に食べてみないことには分からないのです。
もしこの記事を読まれた方で、ご興味がおありの方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会にチャレンジしてみませんか?
未知なる食材を口にする発見と感動を共に分かち合いましょう。
関 幸祐(せき こうすけ)
bugoom online shopの運営者・bugoom大名1号店のストアマネージャー。栄養価や安全性にこだわった世界各地の食べられる虫を集めて販売中。