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「コオロギはエビの味」は間違い?
今、注目されている昆虫食の中でも最もポピュラーなコオロギ。その味は「エビ」に例えられることが多いですが、それは少し違います。
エビやコオロギなどの節足動物には、骨がない代わりに「キチン」や「クチクラ」という物質でできた外骨格が備わっています。エビの場合、この外骨格が食べる時に邪魔になるので剥いてしまうかと思いますが、コオロギの外骨格は柔らかいので剥かずにそのまま食べられます。なので、その食感はエビチリやお寿司のネタに出てくるプリップリなエビというよりも、殻ごとサクっと食べられる小エビに似ているといった方が正しいのかもしれません。
また、陸上生活をするコオロギには磯臭さが一切ないので、その味わいは海産物系というよりも豆系に近いともいわれています。
さらにコオロギには様々な種類がいて、それぞれ味わいが違うのも面白いところです。
食用コオロギの種類
昆虫食がたいぶ浸透し始めたとはいえ、まだまだコンビニやスーパーで食用コオロギが入手できる状態ではありません。野生のコオロギを調達して食べるという方法もありますが、それには十分な知識と労力が必要です。そこで今回は、通販サイトやディスカウントストアで手に入る昆虫食「バグーム」の食用コオロギ×4種を解説していきたいと思います。
ヨーロッパイエコオロギ
ヨーロッパイエコオロギは、食用コオロギの中でも定番中の定番といわれる人気のコオロギです。ヨーロッパという名前がついていますが世界中で流通しており「イエコ」の愛称で親しまれています。写真では分かりにくいですが、身体がとても小さく私たちがよく目にするエンマコオロギ(2~3cm程度)に比べると、その大きさはおよそ半分以下と極小サイズです。小さいから味も薄いのかと思いきや、噛むたびにしっかりとした旨味が感じられます。それもそのはずで、旨味の元であるタンパク質が100g中に約75gも含まれているのです。柔らかくて味もいいので、初めて昆虫食に挑戦される方にピッタリです。
フタホシコオロギ
フタホシコオロギもヨーロッパイエコオロギと並ぶ定番の食用コオロギです。ペットの餌としても流通していて「ホシコ」の愛称で親しまれています。そこそこの大きさと黒い体色が【あの虫】をイメージしてしまう方も多いですが、その香りを嗅いでみると…ほのかに「焦がし醤油」のような香りがして驚かれるかと思います。昆虫食の中では価格もリーズナブルなので、ご興味がおありの方はぜひお試しください。
ジャマイカンフィールドコオロギ
ジャマイカンフィールドコオロギは、ホシコよりやや大きめのコオロギです。体色と味わいはイエコに似ていますが、香りと食感はこちらに軍配が上がります。大ぶりで食べ応えがありますので、イエコでは少し物足りなかったという方にピッタリのコオロギです。
タイワンオオコオロギ
頭部から産卵管までの長さがおよそ6cmもあり、エンマコオロギの約2~3倍という驚異的なサイズを誇るコオロギです。大きいのでさぞ硬いのだろうと思いきや、他のコオロギと同じでサクサクのクリスピー食感となっています。見た目に反して食べやすいので『でっかい虫にワイルドにかぶりついてみたかった!』という方にはピッタリだと思います。
ちなみに余談ですが、福岡のローカル番組で、ミシュラン1つ星の名店TTOAHISU(トアヒス)さんにバグームのタイワンオオコオロギを使った「タイワンオオコオロギの自家製パンと4種のチーズ」というお料理を作っていただいたことがあります。番組で千原ジュニアさんがお召し上がりになられていたのですが『コオロギおいしいわ!』と絶賛されていました。
コオロギは揚げると美味しくなる
バグームのコオロギは調理済みなので、そのままお召し上がりいただけますが、「揚げ焼き」にするとさらに美味しく食べやすくなります。作り方は簡単。油をひいたフライパンが温まったら火を止めて、軽く片栗粉を振ったコオロギを余熱でサッと揚げたら完成です。調理時間が短いですし、普通の揚げ物を作るよりも少なめの油で済むので後片付けも楽チンです。カラッと揚がったコオロギはサックサクの食感に仕上がって、一度食べると止まらなくなる魅力を持っています。のどごしが爽やかな炭酸飲料やサワー系のお酒と一緒にご堪能くださいませ。
コオロギパウダーという選択肢も
コオロギの姿が苦手という方は、見た目を感じることなく味わえるパウダータイプがオススメです。小麦粉を混ぜて麺やパン生地を作ったり、スープの風味付けに使ったりと、いろんな用途でご利用いただけます。先程ご紹介した高タンパクのイエコオロギパウダーなら、運動後のプロテインとしてドリンクに混ぜて飲むこともできます。
とにかく試してみて欲しい
今回はコオロギの味について書かせていただきましたが、食べ物というのは五感でインプットするものだと私は思います。
細かい説明を聞いて想像するよりも、実際に目にして、匂いを嗅いで、食べることで「彩り・香り・味わい」などといった膨大な情報を五感から得ることができます。コオロギの味に関する話を聞いた後でも、実際に食べてみると「ああ、そういうことか」といった共感や「思ってたのと違った」といった発見を楽しめるかと思います。こうしたドキドキやワクワクは、実際に食べてみないと感じられないものです。
もしこの記事を読まれた方で興味がおありの方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会にチャレンジしてみませんか?
未知なる食材を口にする発見と感動を分かち合いましょう。