【大名店】閉店のお知らせ
目次
フェモラータオオモモブトハムシとは
フェモラータオオモモブトハムシは、美しい体色を持つコウチュウ目ハムシ科の昆虫です。
本来は東南アジアの熱帯地域に分布する昆虫なのですが、2009年に外来種として三重県に定着していることが判明しました。日本各地に自生する葛(クズ)を餌とし、幼虫は茎に作られたゴール(虫こぶ)の中で越冬することから、関東より南の地域であればどこでも定着できると予想されている外来種です。
我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)にも登録されています。
フェモラータオオモモブトハムシの味
そんな厄介者のフェモラータオオモモブトハムシですが、実は美味しく食べられるそうです。
毎年2~3月頃に「フェモラータオオモモブトハムシを採って食べる会」を開いている「いなか伝承社」の田中さんによると、新鮮な幼虫をバター炒めにするとクリーミーでとても美味しいとのこと。しかし、2021年は諸事情で会が中止になってしまったそうです。
どうしても味が気になってしまったので、もし幼虫が残っていたら分けてもらえないかとお願いしてみたところ、昨年採れたもので良ければと快く分けてくださいました。田中さん、本当にありがとうございます。
早速、「塩茹で」「バター炒め」「素揚げ」にして食べてみました。
塩茹で
甘エビのように口の中でとろける感じをイメージしていたのですが、噛むとプチっと弾けて中身はペースト状になっていました。少し硬いイクラ、といえば伝わりやすいでしょうか。
1年間、冷凍保管されていたことで品質が変わってしまったのか少しクセのある香りがしますが、その中にも豆系統の香りを微かに感じます。味は空豆のようで美味。塩だけでも十分美味しいのですが、佃煮のような甘辛い味付けにしても美味しいかもしれません。中身だけを取り出してソースやドレッシングを作ってみるのも面白そうですね。
バター炒め
次は、田中さんオススメの調理方法「バター炒め」です。
主張の強いバターに負けてしまわないかという不安もありましたが、無用の心配でした。バターのコクと香りが加わったことで、フェモラータオオモモブトハムシの味わいに深みが出ています。これは美味しい。病みつきになりそうです。さらに醤油を加えて「バター醤油炒め」にしても美味しそうです。
素揚げ
最後は素揚げです。
高温で揚げたことで、口の中でプチっと弾ける感じは完全に損なわれてしまいましたが、まるでポップコーンのような「サクッ」「ふわっ」な食感に仕上がっています。今回は塩だけのシンプルな味付けにしたのですが、ガーリックパウダー等お好みのシーズニングソルトを振りかけると、より楽しめるかと思います。
フェモラータオオモモブトハムシは美味しい
生まれて初めて口にしたフェモラータオオモモブトハムシの味は、どれも美味しかったです。採れたて新鮮なフェモラータオオモモブトハムシはさらに美味しいかと思いますので、次のシーズンを楽しみにしたいと思います。
もしこの記事を読んで「フェモラータオオモモブトハムシを食べてみたい」と思った方は、次回のフェモラータオオモモブトハムシを採って食べる会にご参加されてみてはいかがでしょうか。下記に概要をまとめておりますので、ご覧くださいませ。
フェモラータオオモモブトハムシを採って食べる会
フェモラータオオモモブトハムシを採って食べる会は、その名のとおりフェモラータオオモモブトハムシを採って、その場で食べるというイベントです。このイベントを主催しているのが、今回フェモラータオオモモブトハムシを分けてくださった「いなか伝承社」様です。
いなか伝承社
和歌山県から県内・県外での、地域おこしを目的に活動する団体です。
日本初の昆虫発酵食品・液体昆虫食の開発実績を持ち、年に数回、昆虫を含めた身近な生き物を採って食べるイベントを主催するなど、昆虫食を通じた地域おこしの仕掛けづくり(昆虫食や昆虫食体験プログラム創出など)にも取り組まれています。
また、自然の中での子育て支援、日本の薬草の普及活動、未利用魚の高付加価値商品開発、伝統産業の職人のブランディング、地域デザインを学ぶ場作りなど幅広い活動も行われています。
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